2024年冬CCS特集:コンフレックス

ドッキング機能を初搭載、サポート充実で販売拡大へ

 2024.12.03−コンフレックスは、自社開発の配座探索・結晶構造探索ソフト「CONFLEX」の次期バージョン10リリースに向けて、開発の最終段階に入っている。バージョンを重ねていることからもわかるように、国産ソフトとしても長い歴史があり、米国やアジアをはじめ海外での実績も多い。CONFLEXの開発以外でも計算化学に関する総合的なサポートで強みがあり、今期は受託計算事業も好調だという。

 同社は、自社製品のCONFLEXをはじめ、米ガウシアンの分子軌道法ソフト「Gaussian」、米カリフォルニア大学の分子動力学法ソフト「Amber」、米レビティの化学者向け研究ツール「ChemDraw」といった定番の製品群を一手に扱っている。

 CONFLEXの最新版はバージョン9 リビジョンCだが、毎年のリビジョンアップと、3年おきのメジャーバージョンアップというペースで開発を進めており、次のバージョン10が近日リリースとなっている。最新版では、タンパク質表面の活性部位を探し、CONFLEXで配座解析を行うドッキング機能を初めて搭載する。標的タンパク質の立体構造をPDB(プロテインデータバンク)などから読み込んだあと、指定した配列を持つペプチドとの親和性が高い位置を分子表面解析によって探索し、粗視化四体ポテンシャルを用いて評価する。

 また、複合体中の指定分子のその場配向探索が可能になった。複数の分子を含む系について、与えられた初期構造での指定分子の配向を変えながら最適化等を行い、周囲の分子に対して向きの異なる複合体構造を生成することができる。さらに、結晶関連の新機能として、四元数による分子配向制御やひずみテンソル(Strain tensor)による格子変形を導入して結晶計算手法を一新し、新たに応力テンソル(Stress tensor)計算の追加や結晶構造最適化計算の高速化を実現している。

 一方、取り扱い製品の中ではChemDraw専門のサポートスタッフを採用し、ホームページ上で提供する情報や資料を増やしたことにより、問い合わせが大幅に増加したという。サポートも万全で、自信を持って販売できるようになったとしており、さらに拡大を図る。旧ChemOfficeの後継という位置づけの「Signals ChemDraw」、上位パッケージの「ChemDraw Professional」、二次元作図に特化した「ChemDraw Prime」があるが、来年からはすべて年間ライセンスでの提供になる。とくにSignals ChemDrawは、移行を促すために戦略的な価格設定がされているとのことだ。

 GaussianやAmberについては、基本的な操作法から高度な活用方法までを学べる講習会を実施している。Gaussianはハイレベルのユーザーが増えてきたことから、現在の応用編から講習内容をさらに高めた発展編の提供を計画している。


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