2024年冬CCS特集:日本ケミカルデータベース
来春に2つの新サービス、リスクアセスメントを支援
2024.12.03−日本ケミカルデータベース(JCDB)は、来年春から2つの新サービスを相次ぎスタートさせる。改正労働安全衛生法(安衛法)への対応など、化学物質管理を適正に行うことを支援するもの。親会社の江守情報も化学物質管理&コンプライアンスサービスを強化しているため、連携してビジネスを進めている。
同社は、化学物質や化学品法規制情報をはじめとするケミカルデータベースを構築・提供する事業を手掛けている。SDS(化学物質の安全データシート)を作成するためのツールの販売や作成代行などのサービスを提供しているほか、コンサルティングや調査の受託も行っている。
さて、来年春から新しく開始するのはリスクアセスメント支援サービス「ezRisk Assessor」。改正安衛法で要求されているリスクアセスメント業務を効率的に行うためのクラウドサービスで、リスク評価実施に必要な物質情報を標準搭載し、リスク評価からリスクアセスメント実施結果の記録までを行うことができる。厚生労働省から公開されているCREATE-SIMPLE(設計基準に基づいて実装)、産業環境管理協会が開発したTRA_Linkの2種類のツールを搭載しており、それぞれによるリスク評価を並行して行うことが可能。
もう1つの新サービスは「SDSデータ化サービス」。伊ChemParser社と提携して提供するもので、SDSをまとめてアップロードすると、それを読み取ってデータ化し、指定されたデータ形式(Excel、CSV、JSON)に変換して戻してくれる。人手による情報転記の作業負担を大幅に軽減し、コンプライアンス作業のデジタル化を推進するものとなっている。データ読み取りは日本のSDSと海外30言語のSDSに対応。ChemParserを含む3つの方式で読み取り、データを比較することで高精度な処理を実現しており、生成AI(人工知能)も使用してデジタル化する。JCDBのケミカルデータベースを参照することで、SDSの記載内容に誤りをチェックする機能も備えている。
一方、江守情報が開発した「EmPlatform」は、SDS関連の文書管理・配布管理を行うシステムで、PRTR排出量や移動量の管理、行政への届け出の自動化も行うことができる。総代理店を務めているベルギーLISAM社の化学物質マネジメントシステム「ExESS」と連携するほか、JCDBが提供するリスクアセスメント支援やSDSデータ化サービスを組み合わせることにより、化学物質管理とコンプライアンスの総合的なソリューションを実現することができる。