2025年冬CCS特集:日本ケミカルデータベース
リスクアセスメントに力、SDSのデータ化を実現へ
2025.12.03−日本ケミカルデータベース(JCDB)は、物質情報・法規制情報などのケミカルデータと、そのデータベースを活用したシステムやサービスを提供。とくに、国内外の多様化する化学物質管理や、化学品に関するコンプライアンス活動に対するソリューションに力を入れている。
来年早々、同社は新しく「SDSデータ化サービス」を提供開始する。化学品の危険有害性を伝達するSDS(安全データシート)を、OCR(光学文字認識)や生成AI(人工知能)を用いて読み取り、情報をデジタル化するサービスとなっている。人手による情報転記の負担を大幅に軽減し、企業のコンプライアンス業務のデジタル化を強力に支援することが可能。
同様のサービスで実績がある伊ChemParser社と提携して提供するもので、SDSをまとめてアップロードすると、指定されたデータ形式(Excel、CSV、JSON)に変換して戻してくれる。日本のSDSのフォーマットは数千種類もあり、書き方や見出しの位置など、細かく規定されていない部分も多いが、そうした点も含めて精度良くデータ化することができる。JCDBが持っている化学品の法規制データベースや危険有害性データベースを利用して、SDSの記載内容に誤りがないかもチェックしてくれる。
また、今年から提供開始した化学物質リスクアセスメント支援サービス「ezRisk Assessor」も立ち上がり好調で、機能強化に向けたフィードバックも得られているという。改正労働安全衛生法で要求されているリスクアセスメント業務を効率的に行うためのクラウドサービスで、リスク評価実施に必要な物質情報を標準搭載し、リスク評価からリスクアセスメント実施結果の記録までを行うことができる。10月には、産業環境管理協会との共同でウェビナーを行い、750人の受講者を集めた。11月に開催された「ケミカルマテリアルJapan2025」にも、SDSデータ化サービスと合わせて出展したが、会場で注目を集めたという。
この両サービスは、同社の親会社である江守情報が提供中の化学物質管理&コンプライアンスサービス「EmPlatform」の主要コンポーネントともなっている。こちらでは、SDS文書管理・配布管理のほか、システム間連携、PRTR排出量・移動量管理も含めた業務全体をトータルにカバーすることができる。さらに同社では、化学物質の製造側だけでなく、それらを実際に使用する事業者・労働者が現場で危険性・安全性情報を簡単に参照できるようにするソリューション開発も進める方針。実現すれば、製造者側から使用者側までの一貫したサービスは初めてになるという。