2025年冬CCS特集:SciY(ブルカー)
製品間連携がさらに進展、科学データを標準化し活用
2025.12.03−SciYは、研究開発から製造までのプロセスをデジタル化、自動化し、人工知能(AI)に対応したデータ基盤の構築を推進しており、ブルカーのオートメーション部門と密接に連携しながら、ベンダー非依存でラボ内のさまざまな科学機器と統合できる包括的なソリューションを提供している。
同社は幅広いシステム群をラインアップしているが、クラウド型電子実験ノートを中心にした「Arxspan」では医薬品開発業務受託機関(CRO)での活用が目立ってきている。委託元から委託先への依頼、例えば実験・評価の指示から結果の回収までを一貫したかたちで行えるプラットフォームとして導入されている。クラウドサービスであるため業務プロセスとしての立ち上げも容易で、CROに委託する製薬企業側にとって作業負荷が大幅に軽減できる。海外での導入例が多いが、国内でもこのような実績が増えてきている。
また、ラボ内のあらゆる科学データを標準化して統合管理する「ZONTAL」は、ラボの反復的なオペレーションを効率化する新機能が強化された。材料・手順・装置・組織情報が標準化されたことで、プラットフォーム内でのデータ参照やデータ解析が容易。外部システムとも柔軟に連携して、高度な分析を加えることができる。今年5月にドイツで開催された「SLASヨーロッパ2025」(Society for Laboratory Automation and Screening)で発表され、注目されたという。3,500人の科学者が250社/2万5,000台の科学機器を使って10万件の実験を行うなど、大規模な事例も出てきているということだ。
一方、今年11月に国内の「日本定量NMR研究会」で紹介した内容では、分析ソリューション「Mnova」の新機能「USP-ID」への関心が高い。これは、デジタル標準を使って定量NMR解析をより簡略化するツールとなっている。一般的に、解像度が高い高磁場NMRを使って解析することが理想だが、設置場所や液体窒素などの運用維持コストが高いという問題がある。そこで、解像度の低い卓上型NMRでも、重なり合った混合成分を分離し(解像度を上げ)、解析ができるようにするもので、量子力学計算で予測したスペクトルを利用している。米国薬局方(USP)準拠の標準物質のライブラリーを用いて自動的に化合物を識別。定量ポイントを設定しておくことで、内部標準を使って迅速に定量結果を取得することができ、不純物検出機能も備えている。実際に標準物質を使わなくても、デジタル標準で解析できることに関心が高かったという。
そのほか、来年に新製品「MWEB」が登場する。ブラウザーベースのスペクトル表示・解析ツールで、SciY製品(ZONTAL、LOGS、Arxspan)から呼び出すことが可能。詳細な解析はMnovaと連携しており、解析結果を共通プラットフォーム格納できる。Mgearで自動解析、LOGSリポジトリーに解析結果データを格納し、それをMWEBで閲覧するといった使い方になるようだ。